一度は読んでおきたいグレートな小説
最近アメリカ文学を読み直しています。
伝統が無い分、ヨーロッパ文学ほど重厚さが無いと言われ続けてきたアメリカ文学。そんな中、第一次世界大戦後、ロストジェネレーションと呼ばれる世代の作家たちが従来の価値観に囚われず自由に大きく躍動しました。今日、日本の本屋の棚には必ずあるアメリカ文学の多くはこの時代に生まれたものです。
その中の代表作がフィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』。あの村上春樹氏に最も影響を与えたと言われる作品です。
過去の恋愛を成就させるために女の近所に大邸宅を購入し、夜な夜な豪華なパーティーを開いて密かに機会を伺うギャツビー。その姿はまさにグレート。華麗なる日々が終わる時、後に残るのは強い喪失感だった。
文章は読み易いですが、全体の煌びやかさと物語の最後に訪れる喪失感を感じ取れるかは読者のイマジネーション次第です。普通に読んでしまうとただのストーカー小説にも。一読の価値は大いにあります。
『グレート・ギャツビー』フィッツジェラルド
新潮文庫 500円