本店 10月の売り上げ総合ランキング
1位
浅き夢みし
光文社
佐伯泰英
648円(本体600円+税)
鎌倉の旅から帰った幹次郎らは、玉藻と正三郎の祝言を数日後に控え、忙しい日常に戻る。麻のための離れ家も着々と完成に近づき、祝いの空気が流れる秋。しかし幹次郎は、吉原が公儀から得た唯一無二の御免状「吉原五箇条遺文」が狙われていると直感していた。襲撃される幹次郎と汀女。張り巡らされる謀略と罠。新吉原遊廓の存続を懸けた戦いが、再び幕を明ける!
2位
サラバ! 上
小学館
西加奈子
680円(本体630円+税)
僕はこの世界に左足から登場した―。圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。その後、父母、そして問題児の姉とともに、イラン革命のために帰国を余儀なくされた歩は、大阪での新生活を始める。幼稚園、小学校で周囲にすぐに溶け込めた歩と違って姉は「ご神木」と呼ばれ、孤立を深めていった。そんな折り、父の新たな赴任先がエジプトに決まる。メイド付きの豪華なマンション住まい。初めてのピラミッド。日本人学校に通うことになった歩は、ある日、ヤコブというエジプト人の少年と出会うことになる。
3位
友情
講談社
山中伸弥 平尾誠二 平尾惠子
1,404円(本体1,300円+税)
2010年、雑誌の対談で初めて出会った二人は急速に仲良くなり、やがて親友と呼べる関係になった。出会ったときはすでに40半ばを過ぎ、二人とも超のつく有名人。でも、そんなことは一切関係なく、ただ気のあう男同士として酒を酌み交わし、家族ぐるみで食事を重ねた。こんな関係がずっと続けばいいーー。お互い口に出さずともそう思っていた矢先、友・平尾誠二に癌が宣告される。山中伸弥は医師として治療法や病院探しに奔走。体調は一進一退を繰り返すが、どんなときも平尾は「先生を信じると決めたんや」と語る。そして、永遠の別れ。山中は「助けてあげられなくてごめんなさい」と涙を流した。
大人の男たちの間に生まれた、知られざる友情の物語。
4位
サラバ! 中
小学館
西加奈子
670円(本体620円+税)
両親の離婚、そして帰国。母の実家のそばに住む母子三人は、次第にバラバラになっていった。母は頻繁に恋人をつくり、サッカーに興じる歩は高校で同級生の須玖に影響を受けていく。姉は、近所に住む矢田のおばちゃんが宗教団体の教祖のように祀り上げられていくなか、そこに出入りするようになった。そして、阪神神戸大震災が起こった。それは歩の生活にも暗い影を落とし、逃げるように東京へ向かう。脳が蕩けるような学生生活を経て、歩はライターになった。だが、その先で、ある取材を依頼される。そこには変わり果てた姉が絡んでいた。
5位
幻坂
KADOKAWA
有栖川有栖
691円(本体640円+税)
雨の坂道で出会い、恋におちるも、自意識のために、愛する女を死に追いやってしまった作家の苦悩が哀切な「愛染坂」。坂に棲みついている猫たちの写真を撮るために訪れた女子高生が、その夜から金縛りと奇妙な悪夢に悩まされる「口縄坂」。大坂で頓死した松尾芭蕉の最期を怪談に昇華した「枯野」など9篇を収録。大阪の町にある「天王寺七坂」を舞台に、その地の歴史とさまざまな人間模様を艶のある筆致で描く。
6位
忘れられた巨人
早川書房
カズオ・イシグロ 土屋政雄
1,058円(本体980円+税)
遠い地で暮らす息子に会うため、長年暮らした村をあとにした老夫婦。一夜の宿を求めた村で少年を託されたふたりは、若い戦士を加えた四人で旅路を行く。竜退治を唱える老騎士、高徳の修道僧…様々な人に出会い、時には命の危機にさらされながらも、老夫婦は互いを気づかい進んでいく。アーサー王亡きあとのブリテン島を舞台に、記憶や愛、戦いと復讐のこだまを静謐に描く、ブッカー賞作家の傑作長篇。
7位
混乱
徳間書店
上田秀人
702円(本体650円+税)
錦市場で浪人の襲撃を受けたものの、なんとか切り抜けた東城鷹矢。禁裏付として公家を監察し、朝廷の弱みを握れ-―。老中松平定信から下された密命が露見し、刺客に狙われたのだった。噂をいち早く手に入れ機先を制するのが公家の力。禁裏の手強さを痛感した鷹矢は、このままでは埒が明かぬと正面突破を試みるが……。徐々に激しさを増す朝廷の抵抗、結果を急ぐ幕府からの圧力。二大権力の暗闘の狭間で、かつてない危機が鷹矢を襲う!
8位
大阪人の胸のうち
光文社
益田ミリ
576円(本体533円+税)
「誰かアホな奴が飛び込まへんかな~」の期待に応えて道頓堀川に飛び込んでしまう大阪人。「味は悪ないけど、あいそ悪いわ」「そらアカンわ」。味よりも愛想第一のおばちゃんたち。「ほな、切るで」。胸がキュンとする恋人仕様の大阪弁etc.上京して十数年、大阪出身の著者だからこそわかる大阪人の胸のうちとは?好評イラスト・エッセイ第3弾。
9位
ナミヤ雑貨店の奇蹟
KADOKAWA
東野圭吾
734円(本体680円+税)
悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。廃業しているはずの店内に、突然シャッターの郵便口から悩み相談の手紙が落ちてきた。時空を超えて過去から投函されたのか?3人は戸惑いながらも当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書くが…。次第に明らかになる雑貨店の秘密と、ある児童養護施設との関係。悩める人々を救ってきた雑貨店は、最後に再び奇蹟を起こせるか!?
10位
マル暴甘糟
実業之日本社
今野敏
750円(本体694円+税)
甘糟達夫は「俺のこと、なめないでよね」が口ぐせのマル暴刑事だ。ある夜、多嘉原連合の構成員が撲殺されたという知らせが入る。コワモテの先輩・郡原虎蔵と捜査に加わる甘糟だが、いきなり組事務所に連行されて―!?警察小説史上、もっとも気弱な刑事の活躍に笑って泣ける“マル暴”シリーズ第一弾!“任侠”シリーズの阿岐本組の面々も登場!